失業したけど、なにか?【第5話】

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新しい家族②

透明感を増した秋の日差しが差し掛かる頃、僕と彼女と子猫の2人と1匹の家族は、狭いシングル布団で寄り添うように寝ていた

子猫は度々、布団でおねしょをする

替えの布団がないので、彼女が布団を手洗いするが、どこか嬉しそうだ

彼女
またおねしょしたの~

何か彼女の意識が、子猫に向けられることに対して、僕はなんとなく面白くなかった

僕らは喧嘩する回数も少しずつ減り、穏やかな日だまりが家族を包み込む

そんなとき、彼女の妊娠が判明した

あっという間に、彼女のお腹は順調に大きくなっていき、出産を間近に控え1人里帰りすることになった

そして彼女がいないことで、僕は有頂天な心持ちになり、毎晩仕事仲間と飲み歩く

そんな僕に神様は天罰を与えたのか、酔っ払った勢いで傘を振り回していたら、すっぽ抜けて

ダーツのように、コンビニのガラスに突き刺さった

一瞬、全てを捨てて逃げたくなったが、そんなわけにも行かず、平身低頭謝り、ガラス代を弁償することになった

出産間近の彼女にはとても言い出せず、僕は生まれて初めて借金をした

そうこうしているうちに、無事に1人目の娘が生まれる

子どもが生まれたからも、僕はどこか人ごとで、自分が親になったという実感がなく、子どもはかわいいが、すべて彼女に任せて、僕は好き勝手遊んでばかりいた

この頃は仕事も適当で、あいかわらず飲み歩いたり、休日はパチンコばかりしている日々

はじめはガラス代として10万借りただけだったのに、気がついたら彼女に内緒の借金が

300万を超えていた

そうこうしているうちに、借金の返済日が過ぎても、金の都合がつかず催促の電話がガンガンくる

どうしようもなくなり、正直に僕は彼女に全てを話した

彼女
ずっと欺してたの?

彼女の頬から、静かに涙が落ちていくのが分かった

このときの僕は、情けないのか惨めなのか自分が気持ちがよく分からない

田舎から出て来たときは、こんなはずじゃなかったのに、どこで選択肢を間違えたのか?

正座しながら自問自答している僕を、猫は侮蔑の眼で見つめていた

失業したけど、なにか?【第6話】はコチラ


失業したけど、なにか?【第5話】
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