失業したけど、なにか?【第7話】

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月日

2人で働き、何とか少しずつ借金を返済しながら日々忙しい毎日

アニメのように、月日が捲れていく

2人目の太郎が生まれ、3人目の姫が生まれ、4人目のなすびが生まれる頃には借金は返し終わっていた

相変わらず、子どものことは彼女に任せきりだったけど、僕も少しは成長したと思う

もう飲み歩いたり、ギャンブルすることもなくなっていた

自分が年を取っていくよりも、子どもの成長はやたら早い

いつの間にか、上の子どもは彼女の背丈を超えていた

彼女の頭には白髪が交じり始めている

自分も働きながら、子育てや家事は大変だっただろう

あんなに小さかった子猫も、毛艶がなくなり、最近は寝ていることが多くなった

田舎に1人で暮らしている母親にも、親父の葬式以来しばらく会っていない

色々な想いを抱えて田舎を飛び出した19歳の2人が、弘明寺の地下鉄のホームに降り立ってから、もう数10年が過ぎていた

子ども達はそれぞれのコミュニティを確立して、親への依存は減っていき

毎日、同じモノを食べ、同じ布団で寝ていても、夫婦の価値観は少しずつズレていく

全てのコミュニケーション手段が、たったひとつのガラクタで済むようになったけれども、何か味気がしない

世の中がすごいスピードで変化し、自分も家族も変わっていくなかで、その環境に適応することが幸せなのかも知れない

ーもっと彼女との時間を大切にすれば良かったー

ーもっと子ども達と遊んでやれれば良かったー

ーもっと親に会いに、帰ればよかったー

ーもっと猫に上手いモノを食べさせてやれば良かったー

月日は色々なモノを変え、臍を噛んでも、もう遅い

何だろう、貧乏だったけれど、僕が小さい頃感じた、家族全員でいることの安心感や幸福感

僕は人生の半分を過ごした会社を辞めて、一人振り出しに戻った

そんなとき、家族に事件が起きる

失業したけど、なにか?【第8話】はコチラ


失業したけど、なにか?【第7話】
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